【書評】読書のメリットを最大限に受け取るために。「読んだら忘れない読書術」
はじめまして、トカクカクと申します。
みなさんは普段どれくらい本を読んでいますか?
週に1,2冊、月に1冊、年間1冊読むか読まないか。人によって数はさまざまだと思います。
読書は教養を深めるためにいいものと理解しつつ、仕事に家事に振り回されて、読書の時間なんて……、というのが正直なところではないでしょうか?
そんな方に、本書「読んだら忘れない読書術」(樺沢紫苑 著)をおススメします。著者の樺沢紫苑さんは精神科医でありながら、毎日動画を更新、書籍を数多く執筆、本も毎月20~30冊読むというバイタリティあふれる生活を送っています。
こんな忙しい日々のなかで毎日1冊読めるなら、なんとか週に1冊、月に1冊読むのはできそうな気がしませんか?
読む時間の確保も大切ですが、まずはタイトルにある忘れない読書のコツを学び、読書のモチベーションを高めて習慣にすれば自然と読む冊数も増えていくはず。
本書から、読書のメリット、忘れない読書を実現するための方法を学んでいきます。
読書から得られるメリット
読書で読書の時間をつくりだせる
逆説的ではありますが、本を読むことで仕事や作業の時間の短縮につながります。
パソコンの使い方や、仕事を効率よくこなす方法を学べば、いままで作業で使っていた時間を別のものに向けていくことができます。
本には、何千人もの成功体験と何千人もの失敗体験が載っています。ありとあらゆる成功事例と失敗事例の集大成が、本といえます。
~読んだら忘れない読書術より~
会社で上司や先輩の仕事を見て学ぶだけでは、マンネリ化というか限界があるのかなと感じます。
僕自身も読書を習慣づけしていますが、こんな方法もあるんだ!という新鮮な発見のほうが、わくわくしたり試してみようかという気持ちになったりします。
本は数多く出版されているので、様々な意見を得られ、新しい気づきが多いかと思います。
本を読む時間が惜しいと仕事にあけくれるよりも、成功を収めた人たちの手法を学べば、同じ労力で倍以上の成果、時間を得られます。自己流でやることもまちがってはいませんが、ほかの方法を学べば自分のムダを知ることができます。
本から学んで成長し、さらに本を読んで成長を加速させる。
本を読む時間があったら仕事を。
ではなく、本を読む時間をつくり出して仕事をこなしていく姿勢が重要です。
読めば読むほど文章力がつく
どんな仕事においても文章力はあった方が役立ちます。
そして文章力をつけるためには、当然のことですが多くの文章にふれること。
文章を上達させたければ、たくさん読んで、たくさん書くしかない。
現代アメリカを代表する小説家の結論が、これなのです。
~読んだら忘れない読書術より~
数多くのヒット作をもつアメリカの小説家、スティーヴン・キングの『書くことについて』の結論がこのような趣旨だそうです。
仕事ではWord、PowerPointなどで書類をまとめることが求められるし、プライベートではSNSで記事を書くなど、日常のなかで、文章を書く機会はだれしもあるものです。書くためには、まず多くの文章にふれることが大切。
1か月に30冊本を読んでいるとすれば、文庫本1ページ600文字(今手元にあった文庫本を数えてみたところ1ページ640文字でした)で200ページと仮定すると、36,000,000文字になります。
毎月これだけの文字にふれていれば、文章の雰囲気や語彙力が自然とつきそうな気がしてきませんか?
文章力が鍛えられることで、要約や相手に伝わりやすい文章で仕事力もアップ。
対処法を知るだけでストレスを軽減
ストレスは対処法を知っているだけでも減らせます。
本書の著者のように、医師の方が出版されている本は数多くあり、自分と似たケースの対処方法も見つけられる可能性は非常に高いです。
対処法、解決法を調べて「何とかなる」(コントロール可能)とわかっただけで、状況は全く改善していなくても、ストレスの大部分はなくなるということです。
~読んだら忘れない読書術より~
将来のお金や仕事、健康についてなど、今考えてもどうにもならない「どうしていいかわからない」状態に陥っているときが、最もストレスを強く感じるそう。
老後2000万円問題も、よくわからないけど未来の不安を掻き立てるのに申し分ない問題だからこそ、多くの人に影響を及ぼしたのではないかなと思います。
2000万円問題にしても、国が想定したモデルケースだとその金額が必要になるだけで、自分たちの場合に当てはめると、もっと具体的な数値が考えられます。どれくらいのお金が必要になってくるか対処法がわかれば、少しホッとするような感覚に近いのではないでしょうか。
人はまったく知らないことに対して不安を感じるものです。
同じようなストレスに対してどうすればいいか、読書を通して知っておくだけでもストレスは軽減されます。
忘れない読書のために
本を読むことで得られるメリットがわかったところで、次に読んで終わりにならないために、忘れない読書の方法に焦点を当てます。
アウトプットありきの読書
アウトプットをくり返すことで、脳が重要な情報と判断し、記憶に定着しやすくなります。
読書で検索すれば、多くの方が感想や書評を書かれているように、読んだ内容をアウトプットすることは定番な印象を受けます。
人間の脳には、膨大な情報が流れ込みますが、それらは脳の「海馬」という部分に仮保存されます。
(中略)
海馬は、入力された情報を1~2週間だけ、仮保存します。
そして、その「仮保存」期間中に、二度、三度と引き出された情報には、これは「重要な情報である」という付箋をつけるのです。「重要」という付箋のついた情報は、「記憶の金庫」ともいうべき、側頭葉に移動されます。一度、側頭葉に入ると、「忘れづらい記憶」となって長期保存されるのです。
~読んだら忘れない読書術より~
まず本を読むことで情報を得る。
そして、ノートにまとめる。
SNSへの投稿とすれば、3回は情報を引き出しているわけですね。
本書では、メモをとる、マーカーを引く、人に話すなどの有効的な方法を紹介されています。個人的には、SNSに感想や名言を投稿することが一番効果が高いように感じます。
SNSへの投稿は自分なりに本の主張を考えるし、その記事に対しいいねをつけてくれ、モチベーションも継続できます。
僕も実行している読書の方法も、
・気になるページに付箋をつける
・気になる単語や文章をノートに書き込む
・それらをまとめてnoteに投稿
ただ読むだけよりもしっかり記憶できるし、要約する文章力も磨かれ、一石二鳥ですね。
スキマの時間を有効活用
通勤の電車の中で、会社の休み時間で、子どもの習い事の送り迎えの待ち時間で。
少しのスキマ時間に読書をすることで、本を読む時間をつくりだします。
(中略)何か物事を行う場合、制限時間を決めると集中力がアップし、脳が高いパフォーマンスを発揮するからです。
~読んだら忘れない読書術より~
会社の昼休み中にここまで読んでしまおうなど、自分のなかで制限を設けることで集中力が高まります。頑張ればギリギリできる難易度で試すことで、さらに集中力や記憶力が高まるそう。
これに慣れてくると、読む本の冊数が増えていき、どんどん読書へのモチベーションが上がっていくので、習慣化を目指せます。
僕も会社の休み時間、約束までの時間が少しある場合は読書に使うよう意識。今は毎日1冊を読むことを日課にして、ほどよい緊張感のなかで読書生活を楽しんでいます。
おわりに
今回は、読書術に必要不可欠なアウトプットやスキマ時間の活用についてふれました。
さまざまな読書術についての本がありますが、読書の方法をかなり具体的に示してくれているので、これから読書をやり始めようと思っている方におススメの一冊です。
本の読み方、どういった本を読めばいいのかわからない人に向けて著者のおススメする書籍も紹介されています。
読書術を知りたいと思ったらまず読む基本を学べる本。
最後までお読みいただきありがとうございました。